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『騎士団のヴェール』は、シャニマス未履修でも楽しめるミュージカル作品です。(2025/12/27-28)
世界観も物語も舞台単体で閉じていて、「アイドルが中世ファンタジーの舞台をやる」という一点だけで話は通じます。

■アンティーカ
本作に出演する5人が所属する「アンティーカ」は、シャニマスの中に出てくるユニットのひとつです。
特徴として
・ゴシック調
・中世・幻想モチーフ
・個々のメンバーは明るいのにユニットとしては「影」を背負っている
といった感じです。

このユニットに、
「騎士団」「吸血鬼」「共存」
というモチーフをぶつけたのが『騎士団のヴェール』です。

「守っている秩序は誰のためのものか」「正義は常に正しいのか」というテーマのもと、大切な人を切り捨てる選択を見届けられる3公演(舞台なのにマルチエンド)となっており、また初見でも何らかのカップリングにはまる人が続出している(個人調べ)わかりやすく重い話です。

大好きな人が『世界から排除される存在』だと知ってしまったら、それでも一緒に居られるか。そう突きつけられる少女と少女の話でもあり、最後まで感情を手放さない強さを描いた話でもあります。このあたりストレートに強火な要素なので多くは語りません。

また、抑えておきたい文脈があります。
シャニマス内イベントシナリオ のひとつに「かいぶつのうた」という話があります。

アンティーカの5人が人狼ゲーム風のドラマを日替わりシナリオで演じるという、まさに「騎士団のヴェール」そのものの話です。「かいぶつのうた」の裏テーマに、『本当のかいぶつとは何か』というものがあります。

※以下ネタバレ

「かいぶつのうた」内の作中作を作っている脚本家として、モブキャラの「御子柴さん」という天才脚本家と、そのアシスタントの「雨竜さん」が出てきます。御子柴さんは天才らしく奇行を繰り広げながらも、周りからは「天才ってああいうことするよね」と受け入れられ、雨竜さんがフォローしているという関係です。
しかし本シナリオのエピローグでは、実は天才脚本家は雨竜さんの方で、御子柴さんは雨竜さんの代わりに表舞台に出てもらうためのゴーストライターであることが明かされます。
「ほんとうのかいぶつは、かいぶつであることを隠さないといけない。だって、そうしないと迫害されてしまうから」そんな一説でこのシナリオは終わります。

話を「騎士団のヴェール」に戻します。
人間と吸血鬼というモチーフで、「かいぶつとは何か」という話に改めて踏み込むことが示唆される中、事前販売された公式パンフレットを読むと、実在スタッフ一覧の中にひっそりと「原案:御子柴 宏、雨竜静香」の名前がありました。
(シャニマスという作品はこうやって作品を現実に浸食させる手法を使ってくるんですが、過去シナリオのモブを急に持ってきて、しかも観客がみんなそれを知ってる前提でやってくるのがそういうとこやぞポイント高いです)

「かいぶつとはなにか」「ひととかいぶつは共存できるのか」が描かれる本作を、ぜひ観てほしいと思ってこの記事を書きました。

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