投稿者: usui

251207

近年、インターネット上で何かを主張することのハードルが上がっている気がする。
曲解して炎上させる人や、話題の表面だけを見て意見を言うような人が増えたのと、そういった人々と対話や反論が成り立たないせいでコストをかけるのが億劫になってきたという印象がある。
だからSNSから離れてここで独り言をつぶやいて生きていきたいと思った次第なので、万が一ここのリンクを外に持ち出して炎上されたらたまったもんじゃないと思っている。この日記はどこまでひっそりやっていけるかの実験かもしれない。

2026年ふりかえり

今年はついに同人誌を一冊も出さなかった(出せなかった)。サークルを立ち上げた2011年から数えて14年目にしてついに創造的人生の持ち時間が切れたのかもしれない。そんな高尚なものを作っていないのでおこがましいにも程がある。

本を作っていないのにAdobeのInDesignサブスクだけは契約を続けている。フォロワーのつてで何冊かの同人小説組版をお手伝いさせていただいていて、まったくの無駄契約にはなっていない。ありがたいことである。一応自分はDTP関連の仕事をやってる身ではあるけど、近年は実務から離れているのでInDesign触れる機会は業務外にしかなかったりする。本を作るのは楽しいので、できれば来年は本を作りたい。

251206

「偽史による町おこし」というテーマは面白い。

ひな祭り発祥地、福井県越前市か…歴史書「ホツマツタヱ」に原型儀式の記述(福井新聞)

ひな祭りの発祥の地は福井県越前市か―。縄文から弥生時代までの日本の国造りについて書かれた歴史書「ホツマツタヱ(秀真伝)」に、同市の日野山でひな祭りの原型の儀式が始まったと推測できる記述があるとして、郷土史を研究する同市北日野地区の「こしの歴史勉強会」が地域おこしに生かそうと活動している。歴史書は偽書との指摘もあるが、同会は「地域にとって魅力的な物語。伝承として生かしたい」と期待を込めて発信を目指す。

上記は、アカデミック的には歯牙にもかけられないほど信憑性の低い話である歴史書を元に、それでも現地の人達はゴリ押しで町おこしをしようとしてるという話です。どうしてそんなことが起きてしまうのか。その構造が面白いので、少し書いてみます。

偽書と町おこし ― 止まらない物語の消費

日本ではこれまで、歴史的な裏付けを欠いた文献や語りを「地域の歴史」として活用することで町おこしにつなげようとした例が繰り返し見られます。有名なところで「竹内文書」(富山県)、「東日流(つがる)外三郡誌」(青森県)、そして江戸しぐさといった「歴史的根拠が確認されていない、あるいは学術的に否定された内容が地域史として流通した事例」が存在します。いずれも文献批判に耐えうる成立年代・史料照合の検証で問題が指摘されていることが専門研究では共通しています。

では、なぜ「学術的に確定されていない、あるいは否定されている情報」を基盤に、地域が町おこしを進めてしまうのか。

学者の承認欲求と「地域アイデンティティ」の結びつき

大学で専門を学んでいない、いわゆる在野の研究者の中には、「研究者が見落としている真実を自分が見つけた」と考える人もいます。そうした人にとって、自分の主張が注目されることは、大きな喜びになります。そこに「地域の独自性や観光資源を求める町民側の欲求」が重なると、その歴史が本当かどうかは関係がなくなってきます。更に、外からの批判に対して「わたしたちの真実を潰そうとしている」・「町の発展を邪魔されている」として内側で結束を強め、反論や批判が聞き入れられなくなる構造が出来上がります。
また、町おこしとしてイベントをしたりハコ物を立てたりとお金を使ってしまうと、中止することは一層難しくなります。偉い人が絡んでいると面子もあったりして、何を言っても聞く耳を持たなくなります。

偽史が社会に残り続けるリスク

影響が町の中だけで済むならまだマシで、問題はそれが全国的に認知されてしまったときの社会的リスクです。有名な例として「江戸しぐさ」という全く荒唐無稽な文化が歴史の教科書に載ってしまったことは記憶に新しいと思います。歴史は「いつ」「だれが」「なぜ」その情報を残したのかを確認し、証拠と照らし合わせて考える学問です。それを無視して事実と混同してしまえば、将来の研究や教育に影響します。こうした失敗例を他山の石としてもらいたいのですが、先述の事情もあって一筋縄ではいきません。

今日の新聞記事「ひな祭り発祥地、福井県越前市か…『ホツマツタヱ』に原型儀式の記述」という報道に出てくる「ホツマツタヱ」も、成立の時期や内容などから、歴史の資料として信頼できる根拠は確認されていません。記事の中でも「偽書」とされることが紹介されています。この話がこれからどうなるのか、とても気になります。うまく止まってくれればと思いますが、難しいだろうなと半ば諦めの思いで記事を読み、ささやかな抵抗としてこんなことを書いてみました。

283 Production LIVE Performance [liminal;marginal;eternal] 騒動の背景と補足、あと感想

#ライブ概要
公演名:283 Production LIVE Performance [liminal;marginal;eternal
開催地:立川ステージガーデン
日程 :25/01/11-12
公演数:11日昼/夜、12日昼/夜(計4回:チケットはそれぞれ9,800円、配信は4,500円)
出演者:SHHis(緋田美琴、七草にちか), Cometik ※あくまでキャラクターによるライブという設定のため演者の表記なし

#騒動の概要
4回行われた公演の内、2回目の公演途中で出演者のひとり、SHHisの「緋田美琴」が倒れる演出がさし込まれた。
「美琴さん!」というにちかの悲鳴、ステージに現われない二人、混乱する中での前奏ストップからの暗転、ライブ中断を経て再開したものの、以後3曲はSHHis1名体勢(にちかソロ)で歌い続けることになった。なお倒れた原因は過労による失神ということが、2回目のライブ後にTwitter(X)にてスタッフからの報告という音声コンテンツという形で発表された。

#緋田美琴の各回出演状況
各所で「出演見合わせ」とか「欠場」とか書かれているせいで誤解している人が見られるので補足しておくが、緋田美琴の歌唱曲数は以下の通りとなり、完全欠席回は存在しない
土曜昼:8曲フル出場
土曜夜:8曲中5曲目直後にリタイア
日曜夜:4/7曲(体調を鑑みて後半のみ出演、という立て付け)
日曜夜:7曲フル出場
※ユニット曲およびソロ曲のカウント。全員曲含まず。

#本題
本公演はXRライブであり、元々用意されていた3D立体映像と事前収録の音声を合わせる形式のため、それを知っていれば事故は演出だとすぐ気付けたが、そうと知らない人や、ライブを知らずに公式アカウントが出したアナウンスだけを見た人には事情が分からず混乱を招く結果となった。
本件について、シャニマスというコンテンツにおける背景、ゲーム内外で示唆されてきた伏線を知っているかどうかで見方が変わってくると思うので、その一部を以下にまとめた。

#背景
・今回の公演はシャニマス全体ではなく、ユニット単位のライブとなっている。参加ユニットはストーリー的に因縁のあるSHHisとCometikの2ユニットなので、何かしらシナリオ的な仕掛けがあることが期待されていた。
・緋田美琴というキャラクターについて、ゲーム内設定として「死ぬならステージの上で」という意志を持つキャラクターだったが、ユニットを組んで活動してきた中で色々あってその考えが変わってきたことがここ数年かけたゲーム内シナリオ内で示唆されてきた。
・シャニマスはリアルイベント内で予告なしの謎解きコンテンツを会場内に隠す形で実施したり、ゲーム内のクイズにモールス信号を仕組んだりと、こういった仕掛けが大好きなコンテンツであるため、過去の事例や以下の伏線を知っている人は、ライブ中に何かあるだろうと事前に推測ができた。会場内で大きな混乱が起きなかったように見えたのも、そうした背景によるところが大きいと思われる。

#伏線
①ライブの告知番組(24/09/16)で、1時間もの間、何の変化もない虚無ループ動画が流される。 ※意図は不明
②ライブ数日前、緋田美琴の個別新シナリオが実装される。 →シナリオ内で、休憩を取らずにレッスンしている描写あり
③XRライブにも関わらず、公演における注意事項として『出演者は予告なく変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。』の一文があり。
④事前販売されていた公演のパンフレットに文字化け演出あり。※意図は不明
⑤SHHisとは関係ないが、もう一組の出場ユニットCometikの新曲CDに隠しトラック(無音が数十分続いたあとに再生される曲、Web版やサブスクでは聴けないし存在表記もない徹底っぷり)があり、今回のライブで初披露されることが推測・期待されていた。

#個人的所感
・4公演を追える余裕があったので全部観て楽しめたけど、そうじゃない人には不満が残るのは重々理解できる。
・自分の視点には、「2回目現地にいて、トラブルかどうか即時確認できなかった」人の視点が抜けているので、現地に居たら違う感想になっていた可能性はある。
・先述の背景と伏線を理解している人ほど楽しめたと思うけど、そうじゃない人が大多数である以上置いてけぼりになってるのはそりゃそうだと思う。ゲーム内のSHHisシナリオ、ライブ直前に公開されたシナリオ、配信なしのCD隠しトラックとCDパッケージこじ開けた中に隠されたメッセージまで読み解けというのはハードルが高すぎる。
・「4公演がストーリー仕立てになっていて全部観ないと楽しめなかったか?」と言われると、一応個々の回で完結はしていたと思う。このあたりは意見が分かれそう。
・「ユニットメンバーが欠けた状態のステージ」に価値を見出せる人とそうでない人がいて、自分は前者だったけどそうじゃない人も多いという話。
・「ステージに立てないことの演出」「復帰までの感動的シナリオ」をゲーム外で表現するのにはXRライブは最適解かもしれないけど、全配信見るのに18,000円が必要なのは割高。ただ、シャニマスはリアルタイムでしか観られないからこそ良いと思っている節があるので諦めの気持ちもある。シャニマスくんは以前にも、告知なしでweb上無料ミニライブ(アーカイブなし)を平日夕方に配信するなんて蛮行をしていたこともあったのでいつもどおりといえばそう。
・実在性とか言うわりに、(事前収録だから負担はないとはいえ)ソロで5曲連続で歌わせる演出(セットリスト)は非現実的だよなと思った。
・美琴さんの初期のキャラ設定(ステージに命を賭けている)しか知らない人と最新シナリオまで読んでる人で見方が変わるので、そういうところもゲームとの連動性がつよい。
・ゲームの告知垢でキャラクター体調不良の報告ツイートをするのは、演者名ではないとはいえ紛らわしいと思った。
・自分はシャニマスのこういうところに不満があって一度離れてまた戻ってきた人間なので、多くの人が怒っているのは分かるつもりです。だけどシャニマスやってない人が出演状況も調べずに非難してるのはおかしいと思うので、なんにせよ事情を理解してから冷静に批判してほしい。
・自分がこの展開を少しでも肯定できるのはシャニマスというコンテンツが伏線的に何年もかけて積み重ねてきたものがあるからであって、他のコンテンツで同じことをされたら断然許せない側の意見をいうと思う。

#論点
今回の件で考えるべき点はどこか整理したら、以下のようになると思う。時間があれば改めて書きたい。
1.本公演は個々の回で完結していたか。していないという場合、どこまでなら問題なかったのか。
2.全ての公演は平等であるべきか?
3.「体調不良による欠場」をコンテンツとして使うことの是非
4.演出としてのトラブルを公式アカウントで扱うことの是非
5.ライブとゲームの連動が行きすぎているという批判

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