投稿者: usui

251216

手書き以外の執筆ができない。できるようになりたい。

小説を書くときはいつもB6のノートを使っていて、
しかも作業再開時は冒頭からプロットを手書きで書き起こさないと内容を思い出せないので心底効率が悪い。
毎日、プロットというかほぼ最初から写経のようにほぼ全部書き直してからじゃないと続きが書けないので、たかだか100ページの本を書くためにノートが3-5冊ほど必要になる。まったくもって資源の無駄である。
ただし、私は自分の書いた文字を見るのが好きだし文字を書くという行為が好きなので、ある意味実益を兼ねているともいえる。数百年前に生まれていたら写経とか書記で糊口を凌げたのなと思うこともしばしばある。

手書きで書くと言うことは、執筆が終わってから全部を改めて文字起こししないといけないわけで、とんでもない二度手間である。
効率化のために頑張ってキーボードやスマホで書こうとしたこともあったし、5万円もするポメラを買って背水の陣を気取ってみたけど全然まったく考え事が捗らなくて結局手書きに戻る始末。
この日記も、暇な時間にノートに書き貯めれば数日分はストックできるのだけど、こうしてキーボードと向き合うとどうも思考が止まってしまう。
これはオールドタイプだからと一言で切り捨てていいものか、手書き勢の意見を聞きたい。

251215

ショート動画ってこわいなって話。

今までショート動画ってなんとなく気乗りしなくて避けて通ってたんですが、あまりにも疲れて虚無だったのでうっかり再生してしまったんですよ。そしたらこれは無限に時間が溶けるなと思って怖くなったんですよ。なんせ自分好みにカテゴライズされた内容ばっかり続くわけで、たぶんしばらくは飽きずに観ていられたと思うんですが、やっぱりこわくなって再生を止めて二度と見ないように改めて思いを新たにしました。

ショート動画の何が怖いかって、まず「考える前に終わってしまう」ところなんですよね。

一本一本は短いし、内容も分かりやすい。オチも結論もすぐ出てくる。だから頭を使っていない感覚のまま、「満足感」と「わかったつもり」だけが積み上がっていく。本質的なところは何も身につかないまま、理解したという錯覚だけが残る。何かを知ったつもりになってしまうだけじゃなく、判断が雑になっていく感じに近いなと思いました。

あとは、どれもこれも言葉が強かったり主語が大きかったり、決めつけが強い傾向にあるのが怖かったです。そういうものだと身構えて見る分にはまだ大丈夫だけど、ああいうのを見続けたら陰謀論に片脚突っ込みかねないし、世の中なんでも単純化して観るようになりそうで怖いです。

そしていちばんこわかったのは、自分の好みに合わせたものばっかり見せられることでした。気付かないうちに視野が狭まって、好みや感情が固定化されていく恐怖。ある種の洗脳ですよ。
ショート動画がこわいのは、時間を奪われるからじゃなくて、奪われていることに気づきにくいからなんだと思います。だから自分は、あの無限再生の入口には、なるべく近づかないでおこうと思っています。

251214

大河べらぼうの最終回を観ました。
物語の山場としては先週時点で解決していて、今週は完全にエピローグ、一年間観てきた人にとっての報労回でした。

本作、一話時点では主人公の蔦重のことがまったく好きじゃなかったので、最後まで観た感想が反転してるのは「してやられた」という気持ちが強いです。
蔦重に限らず、本作はヘイトコントロールが上手な作品だったと思います。田沼様、松平定信など、登場したときはとにかく嫌なキャラクターをしていて不快に思っていたのに、立場を離れて人間的な魅力を描いたところを見せられるとその人が好きになってしまう、というパターンで一年間ずっと脚本に踊らされてしまったなというのが一年を総括した感想です。

しかし最終回は本当に「粋」でした。史実では蔦重より先に往生した長谷川様とともに、おそらく同じひとを好いた同士として彼女のところに趣くシーン、戦友みたいな関係性が観られて熱かったです。彼女についても顔さえ映さず、蔦重たちのやわらかな顔を通してのみ描くところに美学を感じました。
おていさんから最後に言葉をかけられるところもよかったですね。
「その富は腹を満たすことはできませぬ。けれど心を満たすことはできます。心が満たされれば、人は優しくなりましょう。目の前が明るくなりましょう。次は己が、誰かの心を満たそうと思うかもしれませぬ」
これはもう何かを創っている人間すべてにとってどれだけうれしいことばか分かりません。一年間通して伝えたかったことがこの言葉に集約されていると言ってもいいと思いました。ほんとに言い台詞でした。泣いちゃいました。

あとはもうラストシーン。この作品を象徴するような一幕でしたね。
「拍子木が鳴らねえ」、の一言から、まるでみんなの大合唱が止むのを待ってくれたかのような気風の良い音が響き渡って、そして聞き慣れたOPが始まるのはあまりにも綺麗で粋でした。
こんなに清々しい気持ちで終わった大河ドラマはなかなかないんじゃないでしょうか。

本当に気持ちの良い作品でした。

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