大河べらぼうの最終回を観ました。
物語の山場としては先週時点で解決していて、今週は完全にエピローグ、一年間観てきた人にとっての報労回でした。
本作、一話時点では主人公の蔦重のことがまったく好きじゃなかったので、最後まで観た感想が反転してるのは「してやられた」という気持ちが強いです。
蔦重に限らず、本作はヘイトコントロールが上手な作品だったと思います。田沼様、松平定信など、登場したときはとにかく嫌なキャラクターをしていて不快に思っていたのに、立場を離れて人間的な魅力を描いたところを見せられるとその人が好きになってしまう、というパターンで一年間ずっと脚本に踊らされてしまったなというのが一年を総括した感想です。
しかし最終回は本当に「粋」でした。史実では蔦重より先に往生した長谷川様とともに、おそらく同じひとを好いた同士として彼女のところに趣くシーン、戦友みたいな関係性が観られて熱かったです。彼女についても顔さえ映さず、蔦重たちのやわらかな顔を通してのみ描くところに美学を感じました。
おていさんから最後に言葉をかけられるところもよかったですね。
「その富は腹を満たすことはできませぬ。けれど心を満たすことはできます。心が満たされれば、人は優しくなりましょう。目の前が明るくなりましょう。次は己が、誰かの心を満たそうと思うかもしれませぬ」
これはもう何かを創っている人間すべてにとってどれだけうれしいことばか分かりません。一年間通して伝えたかったことがこの言葉に集約されていると言ってもいいと思いました。ほんとに言い台詞でした。泣いちゃいました。
あとはもうラストシーン。この作品を象徴するような一幕でしたね。
「拍子木が鳴らねえ」、の一言から、まるでみんなの大合唱が止むのを待ってくれたかのような気風の良い音が響き渡って、そして聞き慣れたOPが始まるのはあまりにも綺麗で粋でした。
こんなに清々しい気持ちで終わった大河ドラマはなかなかないんじゃないでしょうか。
本当に気持ちの良い作品でした。